「ねえねえ、お爺ちゃんのポジションはどこ!?」
「受けなの、攻めなの!?」
――全ては、その一言から始まった。
「受け攻め談義とあらば、やはり軍略の家久が最強じゃなあ」
「何の、知謀の歳久も負けてはおらんぞー」
「お前ら、日新様も冗談で言うたんじゃ。そげん本気にならんでも……」
「……弟相手といえど、日新様のお膝の上を譲るわけにはいかんなあ」
「兄ちゃんが本気になったー!?」
ひょんなことから兄弟の間に散った火花は、瞬く間に家中へと燃え広がった。
それぞれの思惑を胸に、島津家の面々は最強の座を巡る戦に身を投じる。
ルールは単純明快、『生き残った者が勝利する』。
目的のためなら手段は選ばない、情け無用のバトルロイヤル。
「やい亀寿、今日こそどっちの立場が上か思い知らs……GYAHHHHHH!!」
「出たー、あれは48の殺人仮面技の一つ『ジェノサイドジメサア』だあー」
「壮絶な棒読みだな」
時に手を組み、時に裏切る、駆け引きもまた勝負のうち。
「ええい、俺はたとえ歳兄ちゃんが相手でも容赦しもはん!行くぞ豊久!」
「ぼ、僕もですか!?」
中には、二度は見られぬ対戦カードも!
「何のっ、相手にとって不足なし!薩摩隼人の血、今こそご覧に入れましょう!
……ていうか憧れの叔父上と一戦とか!うわーうわーうわわわわわ(ブー)」
「いや、鼻血は見せんでええからね」
激しさを増す戦い。
次々に倒れ伏す血族の屍を越え、生き残った者らの間に芽生える絆。
「俺……この戦いが終わったら、膝つき栗毛×義弘本ば再版するんじゃあ……」
「何そのフラグ!? ていうか初版、完売したんだ!?」
「最強の座なんて必要ない……望みなんて、たった一つだけさ」
そして最後の戦いを前に、あのダークホースも立ち上がる!
「お父さんだって……お父さんだって、たまには主役を張りたいんだああっ!」
若きは立ち上がれ、老いたるも命を燃やせ。
ここより先に一切の生地なし、眼前に広がるはただ果てなき戦場。
花も嵐も愛も欲望も、全てを懸けて捨てがまれ!
島津家ほぼ総出でお送りする、アクションホームドラマ『しろがねの御座』
「勝ち残ったはずなのに、優勝商品に押し倒されるなんて!」
「戦国の厳しさ教えますスペシャル・THE MOVIE(笑)」
「笑うな!」
――血と汗と涙の果てに、君は島津家最強を見る。
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とりあえず女性向であることと、主役が誰かは伝わった気がする(やりとげた顔で)
他の真相が気になった方は、ぜひ本をお買い求めください。
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